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第五章 連鎖

9 流行

集落内で次の開催日を心待ちにする人が続出することとなり、野球は一気に集落内で受け入れられた。

急ごしらえの球場は撤去されることなく、野球場として常設されることになったので、常に道具が置かれることになった。

子供たちがキャッチボールをする。大人たちも仕事が終わった後に試合をする。

女性たちも参加する。

最初は「見るだけ」だった人々も、自分たちでルールを覚え始めて集落全体が渦のごとく娯楽という核を持って大きく躍動し始めた。

その熱気は、隣の集落へ伝わるまでにそう時間はかからなかった。

集落内だけの遊びが、世界の共通言語になりはじめる。

「うちの若者と試合をさせてくれ」

ある日、挑戦状を持った隣の集落から人が訪ねてきて、集落対抗戦が行われることになった。それまで集落内での遊びだったものに競技性が芽生えた。俄然やる気になる人々の笑顔が弾ける。

主人公はそこで初めて、「野球は一つの集落だけでは終わらない」と気づく。