08 / 15

第八章 熱狂

14 応援団

野球はさらに広がる。

人々は意志をもって、野球のためにスタジアムを各地で他方を真似て建設し始めた。

特定の集落を応援する人々が現れる。「推し選手」が生まれ、試合中にお目当ての選手が登場すると大声で選手の名前を叫ぶ。

応援旗を作る人々や、戦況に合わせてバットに模した木の棒を打ち鳴らして鼓舞する人々も現れた。

野球を知らなかった人々が、試合のために集落を移動する。

試合のある日は、会場周辺の商売も盛んになる。

食べ物を売る店。飲み物を売る店。応援用の道具を売る店。

野球場の周囲に新しい仕事も生まれた。会場整備や宿泊する場所を提供する宿。

かつて「娯楽などない」と歯車のような生活を諾々と受け入れていた人々が、自分たちで娯楽を盛り立て始めた。