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第十一章 神からの答え
17 石像の再登場
娯楽がこの世界の各地へ広がった頃、石像が突然姿を現す。
「条件は達成されました」
突然、二人の住まいからあのこの世ではない空間に移動して、二人は驚いた。声の主は寝椅子に横たわった女の石像。
あの日から幾月経っただろう、やっと元の世界へ帰れる。
日本に帰れる。いつもの生活に戻れる。
スポーツ用品店で働いて、毎日店で脚がパンパンになるまで立ちっぱなしで来客対応をしていた日々。
獣人も元の世界へ帰れる。設計士として働いていた日々に戻れるんだろう。打ち合わせ予定だった顧客は大丈夫だろうか、時間に現れない真面目な設計士を心配しているかもしれない。
本当なら交わることのない二人の日々。
二人は別々の世界へ戻る。
そのはずだった。
18 それぞれの世界
石像は二人に選択肢を与える。
「あなた方は元の世界、元の一日の始まりへ帰ることができます」
「あるいは、この世界に残ることもできます……どちらを選んでもをわたくしは叶えて差し上げます」
「箱庭に活気をもたらしてくれたお礼に、願いを1つかなえて差し上げましょう」
石像の声が反響しているのか、いろんな方向から幾重にもなって降り重なる。
元の世界には家がある。
仕事がある。
これまでの人生がある。
しかし、この世界には自分たちが作ったものがある。
自分が負けたあの日から続いていた野球への思いが、ここでは誰かの「明日楽しみだ」に変わっている。
獣人も元の世界では仕事が待っている。
完成を待つ建物もある。
しかし、彼が設計したこの世界の球場では、今日も人が笑っている。